reference:
Surfer Mar 2013
Does every surfer need a surf coach?
by Lewis Samuels
Point of view
Ri Ryo
米サーファー誌の記事、サーファーにコーチは必要?を読んで
李リョウ
サーファーほど自分勝手な人間はいない。自分勝手だからサーフィンを選んだともいえる。団体競技なんて考えただけでも耐えられない。だからというか、人からどうこう言われるのはゴメンだね。そういう人ってサーファーに多いと思いません?あなたはどうですか?だからレッスンなんてとんでもないよね。ところが米サーファー誌にコーチングをテーマにした記事が掲載されました。筆者はルイス・サミュエルというサーファーでベテランサーファーのようです。彼はここ20年間もの間サーフィンの壁に打ち当たってきた。つまり上手くならないのだ。サーフィンに情熱と金を傾けてやってきたが一向に技術が向上しない。能力の限界かとあきらめて掛けていたときに、あるコーチのレッスンを受けた…。
そのコーチはあのクリス・ギャラガー、サンタクルーズ初のWCT選手で現在はシェーパーとしても活躍している。たしかSKサーフボードのヘッドシェーパーだよね。また彼はWCT選手のコーチングにも携わっていて、ホブグット兄弟やテイラー・ノックスも彼からレッスン受けている。その彼が今回ルイスのサーフィンをクリニックした。
そのコーチ、ギャリー(クリス・ギャラガー)は意外な一言をルイスにつぶやいた。
「君は右利きかい」ギャリーはルイスのトップターンを一度見ただけでルイスの利き腕を見破ったのだ。
「そうですが、それがなにか?」
「グーフィーフッターに多く見られる問題なんだよ」とギャリーは諭すように説明した。「君は右腕を中心にサーフィンをしているんだ。それ自体は問題ではないんだ。もし君がレギュラーフッターならばの話だけれどね」
彼の説明によると上半身と下半身の動きが連動せずに反発しあっているのだという。コーチのギャリーはビデオでルイスとトッププロの
サーフィンを比較してその欠点を説明したという。そして改善に取り組むことになった。ギャリーの分析によるとルイスの基本は改善する必要がなく部分的な修正で十分ということらしい。
そしてルイスが取りかかったのがギャリーが用意した12ステップのプログラム。まずは筋肉に新しいメモリーを植え付けるというかなり
難しい改善に取り組んだようだ。「サーフィン中に今までとは違った変なフィーリングがしたら、それは正しい動きをしているんだよ。そが普通に感じられるまで続ける」ルイスによればそれはまるで左手で字を書いているような変なフィーリングだったというが、ある日異変が起こり失速していたレールターンが加速しはじめたという。
photo:ELLIS
さらにこの記事ではブラッド・ガーラックのコーチングについても言及している。彼ガーラックも最近コーチングで話題を集めているが、彼が実践しているのが「ウェーブ・キ」(おそらく気を現していると思われる)それは彼がいまままで体験してきたことの集大成である。
簡単に説明すれば陸上で実践するサーフィンの練習だ。ガーラックによれば「波に乗る時間が十分に取れる奴なんていないだろう、仮に波に乗って自分を全て出し切ろうとしても無理な話。ボクサーがリングに立ってからさあどうしようかじゃあ遅いんだ。リングに立つ前にどう準備するかが大切さ」
記事によるとガーはボートトリップ中にもデッキの上で生徒とともにこのウェーブ・キを行なってサーフィンの準備をしたという、たぶんイメージトレーニングのようなものだろうか?シャドーボクシングのような?たぶんそういうモーションをトレーニングとして実践するのだろう。サーフィンの練習は、波に乗ってからでは遅過ぎるは同感だ。
photo:Tinoco
さて記事の結びでギャリーとガーはコーチングについて興味深いコメントも寄せている。それはゴルフのようなコーチングとは異なるということだ。ゴルフでは決まりきったスイングしか教えないために誰もが同じスイングをしている、しかしサーフィンのターンはそれぞれがそれぞれの個性を生かすべきで、またサーフィンは楽しむために存在することを忘れてはならない。ロボットやクローンを作るためにコーチをするのではなくコーチを通じて海のすばらしさを伝えていきたいということです。さすがサーファー。
最後にルイスさんは35才でクリニックを受けて一ヶ月で驚くべき成果が出たようですね。まるでサーフィンを始めた頃の新鮮な感覚が戻りなんちゃってエアーも決めちゃったみたいです。イイネ!
僕もコーチ受けたくなってきました。
了
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