テイラー・ライト
波数:16
パドル:5.2km
トップスピード:27.5km/h
場所:シークレットポイント
サーフィン上達法、実践編:海から学ぶ効果的なパドル術
前回では、パドルの回復力について掘り下げました。今回は、いよいよ実践編として、
効率的にパドリングするためのアドバイスを二つ紹介します。トレーニング嫌いの人でも
効果がありますからぜひお付き合いください。
アドバイスその一:力まないで水を掴む「スカーリング」
効率的なパドリングを実現するための最初のアドバイスは「スカーリング」という
テクニックです。競泳の世界では、基本中の基本として知られていますが、
なぜかサーフィンの世界では、その重要性は認識されていないようです。
もし初めて耳にしたら、この機会にぜひ実践して効果を体感してみてください。
スカーリングは至ってシンプルです。「両手のひら」を水中に沈めて無限大のマーク(八の字)
を描くだけです。この動作を通じて「少しの力でより多くの水を掴む」というフィーリング
を養うのです。
イメージが湧かない人は下記のURLをポチしてご覧ください。
実はこのスカーリングは、オリンピックで驚異的なメダルラッシュを記録した旧東ドイツの
競泳チームが開発しました。あまりにシンプルすぎて驚くかもしれませんが、「水を掴む」
というフィーリングはサーフィンのパドルには欠かせませんよね。私はこの練習を
あるビッグウェイバーの方から伝授されてその効果に驚き、日々実践しています。
スカーリングは波待ち中でも、またはお風呂の中でも気軽にできるシンプルな練習です。
ぜひ日常に取り入れてみてください。
アドバイスその二:左右のバランスを意識した「パドル調整」
二つ目のアドバイスは左右のパドルバランスを調整するということです。
健常なサーファーであれば、当然両腕でパドルを行なっていますが、パドルを100とした場
合その配分は左右どうなっているでしょうか?おそらく50:50と答えるサーファーが多いと
思います。
しかし人間には、利き腕とそうではない腕を持っていて、利き腕の方が筋力もあり、
かつその運動能力も高い傾向にあります。
つまり意識の上では均等にパドルしているつもりでも、実際には力の配分が偏ってしまっ
ている可能性が高いのです。
その偏りに慣れてしまっているために左右均等にパドルしているという錯覚に陥りがちで
す。
多くの右利きの人は、右腕を主体にパドルしています。40:60の配分でも、均等にパドルして
いると思っているサーファーは多いでしょう。中には30:70でも均等と感じている人もいる
かもしれません。
パドルの偏りは、直進できないので効率が良くありません。さらに偏りは長期的には、
体の故障の原因にもなります。右利きの人は、長年右腕に負担を掛けるので、
右の頚椎や右肩を痛めるリスクが高まります。
左右のパドル調整には特効薬的な練習方法というのはありません。
意識的に利き腕のパドルを少し弱めて、反対の腕へ力の配分を少しだけ増やしてみる。
サーフィン中に、そのような意識を持ってパドルをしてみてください。
ただし、集中しずぎてそれを実践するとサーフィンのリズムを壊すことがあります。
また慣れないフォームになって、故障の原因にもなるのでほどほどに取り入れてください。
重要なことは、自分自身のパドルが左右均等でない可能性がある。
という認識を持つことです。サーフィン中に意識して左右のパドルに集中し、その感覚を比べ
てみると、利き腕に頼ってパドルしていることに気づくでしょう。
まずはその気づきから効率かつバランスの良いパドリングへの第一歩となるはずです。
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