2013年11月6日水曜日

 名作エンドレスサマーの舞台裏についての記事が、米国SURFERに載っておもしろい。こんなこと書いてもいいのかなって思う内容だけど、そこがジャーナリズムの本場アメリカならではなのかな。結論からいえば、三人の長旅で起こりがちなトラブルがこの撮影旅行でも起きてしまったということなんだなあ。
 
 この旅以前からすでにリアルサーファーだったマイク・ヒンソンは、高校卒業したばかりのロバート・オーガストをどうしても格下に見てしまっていたようだ。だってこの旅の資金を稼ぐためにマイクはかなりヤバイことをやったらしい、しかもベトナム戦争の徴兵を逃れてブルース・ブラウン監督のガレージに暮らしていた。一方ロバートは自分の車を売って資金にしたというからマイクにしてみれば親のスネをかじった青二才で、小波にしか乗れないグーフィーフット。俺にタメ口きくなよって感じだったのかな。でもブルース監督にしてみればロバートは言いやすく使いやすい青年、ロバートにしても映画に出演させてもらえるならばなんでもやります的空気がパンパンに充満していたことだろうと思う。(ちなみに私、ロバートさんとは日本で旅をした思い出があります。たいへん柔和な方です)

 そんな三人のビミョーな空気が思わぬハプニングを招いた。あのケープセントフランシスでの、名シーンの撮影である。世界中のサーファーを魅了したあのパーフェクトウェイブはこの映画の核心でもあるのだけど。
 知らない人もちょっとその映像を観ていただきたい。
 
http://www.youtube.com/watch?v=ZVdXi91bLB0


 三人仲よくバージンウェイブを楽しんだ(撮影した)って雰囲気ではあるけれど、じつはマイクがこの波を発見し、いち早く一人でサーフィンしたのだという。その日の朝、マイクは一人早く目を覚ましてメキシカンに火を点した。目の前にはレフトの小波がブレイクしていたが、遠くの岬に潮が上げれば波が良くなりそうな気配を感じた。あとから目を覚ましたブルース監督にその岬の波を話したが、監督はその忠告を皮肉でかわし、小波のレフトで撮影しようと準備を始めロバートもそれに従う。その態度に嫌気がさしたマイクは一人で岬に向う。すると潮が上げはじめて突然のようにパーフェクトウェイブが出現し、マイクはそれをサーフする。
 その光景を見たブルース監督とロバート・オーガストは慌てて岬に向いセッションが始まったということである。つまりブルース・ブラウンはマイクが乗ったファーストウェイブを撮り損なっていたのだ。


all photos by Bruce Brown
 

 
   







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