2013年12月13日金曜日

伝説のシェーパー、トムパリッシュが語るライトニングボルト

http://www.surfermag.com/blogs/design-forum/tom-parrish-interview/

Tom Parrish Interview by Surfer magazine web site



 シングルフィンの時代サーフィン界を席巻したブランド、ライトニングボルトで、伝説ともいえるほど評価の高かったシェーパー、トムパリッシュのインタビューがサーファーのウェブマガジンにアップされましたので要約してみます。現在はマウイに住み週3-5本のボードをシェープしているようです。

 ボード作りを始めたのはいつ?

 古いロングボードのグラスをはがしてリシェープしたのが最初かな、それからラグナのクラークフォームに行って不良のブランクス10本を手に入れ、それでボードを作り近所の人に売ったんだ。ハワイに移るまえには50本くらいシェープしたかな。高校を卒業したあとにサーフラインハワイでシェープの仕事を手に入れたんだよ。試しということで3本シェープしたんだけど出来が悪くてね首になりかけた。もう一度チャンスをもらってなんとか首は免れたよ。

 それはプレッシャーだったろうね。

 なんとかパスして就職できたわけさ、もちろんサーフラインハワイのファクトリーで下っ端だったけどね。ここにはジェリーロペス、ディックブルーワー、バリーカナイアプニ、リノアベリラ、ランディラリックが在籍していたんだ。後にほとんどがライトニングボルトに移ることになるんだけどね。でもこんな素晴らしい人たちといるのは素晴らしかったよ、たとえ自分が最下位にいてもね。それからジェリーとジャックがライトニングボルトを初めて、一斉にそっちに移ったんだ。みんなライトニングボルトに行きたかったんだよ。

 あなたもその一人?

 最初は違ったよ。空きがなかったからサーフラインに残ってシェープの勉強を続けた。その後1年くらいしてから共同オーナーのジャックシプレーから声がかかった。ジェリー、バリーやリノはすばらしいサーファーだけど、彼らはサーフィンをするためにシェープをしていて時間があまりなかった。だから僕の役目はハードに仕事をこなすことだなって理解した。だから彼らがサーフィンするのと同じくらい僕もサーフボードを作り続けたのさ。

photo by RiRyo

彼らとの付き合いの始まりは?

 最初は彼らに認めてもらってはいなかった。でもライトニングボルトは凄く需要が高まっていて、彼ら3人がシェープする以上の注文が殺到したんだ。だからその補佐の役割をするようになっていったんだ。さらにボードのグラッシングをしているとジェフハックマンがブルーワーがシェープしたフォームを持ってきてグラッシングを頼まれたのさ。それから彼のボードを作るようになったんだ。彼はボードに関して神経質で、といってもネガティブではないけれどどうすれば良いかが明快に判っていた。だから僕のシェープ技術の向上に凄く役になったよ。ジェフが僕のボードを乗ることによってジェリー、バリーそしてリノが僕のボードに関心を寄せるようになったんだ。

ジェリーと仕事をするようになってどうだった?

 1975年にジェリーがマウイにライトニングボルトの店を開店して、私たちは交代でお互いの仕事をするようになった。月のうち10日間、私がマウイに行くとジェリーがオアフに来る。オアフのボードをマウイに持っていったりまたマウイをオアフへ、家もお互いの家に寝泊まりし、車もシェープルームもそんな感じ、想像してごらんよまるで天国さ、マウイに住んでジェリーの車を運転して彼のシェープルームに仕事にいくんだからね。神様の右腕になったようなものだよ。ジェリーはたいへん変わったアプローチでシェープをするんだ。彼はブルーワーから教わったが、すぐに自分のスタイルでシェープするようになった。だからブルーワーのスタイルは受け継いでいない。なぜならばジェリーはパイプラインに興味があり、ブルーワーはサンセットだった。ジェフハックマンはブルーワーガイだったから、つまり私は2つの異なるデザインから影響を受けたんだ。結局、私はその2つから影響を受け、さらにチャーリースミスのようなホットなローカルの顧客も得て、さらにオーストラリアや南アフリカなどの世界中から優秀なサーファーが集ってきたんだ。
photo Ri Ryo

 あなたの作った70年代のシングルフィンピンテールは有名だけれども今でもそのようなボードを作っているのですか?

 ときどきね、スラスターやクワッドを沢山所有しているサーファーはなにか違うものを求めるんだ。シングルフィンから得られるグライド感かな。でもボードデザインやサーフスタイルは大きく変化したから、ナローティルのボードは勧められないな。でもコレクターはシングルフィンに興味あるだろう壁の飾りとしてね。


 現在のボードデザインで興味があるものは?

  私はお客の好みに合わせて作るんだ。シェープの神様だとは思っていないよ、むしろこの仕事はサーフィンの通訳のようなものだと見ている。優れたサーファーたちと交流を深めることに喜びを感じるが、人々に影響を与えようなんて思っていないし、こうサーフしなければならないなんていうつもりもない。チャーリースミスと共に働きお互いのボードを見ては評価してさらに高めあっている。デザインは常に変化している、ここ2年でワイドポイントが後退していることに気づいているし、ノーズは昔のように広くなってきている。だが変化はゆっくりとしているんだ。でも10年経つとその違いが歴然としているんだよ。


photo b Jeff Divine
Riference :Surfer web mag

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