2013年12月25日水曜日

未来のサーフボードってどんな感じ?

未来のサーフボードってどんな感じ?
サーファーズジャーナル日本版の読み返し、22-2

DANIEL THOMSON AND THE SPEED OF PHI
By Richard Kenvin
スピードの黄金率
リチャード・ケンビン


スケートボード的ではあります。


 トム・カレンやロブ・マチャドによって試され、さらにファイアーワイアーともコラボされてかなりの注目を浴びているあれです。ダニエル・トムソンと彼の理論によってシェープされたMPH(モダンプレーニングハル)、その特集がザジャーナル22-2号に掲載されました。
 異様ともいえるサーフボードなので、レトロ嗜好である自分の好みとしては「関係アリマシェン」的な第一印象でありました。しかし読み進めていると意外や意外、かなり説得力もありサーフィンオタクにとってはかなり興味深い内容だってことがわかりました。


くれ!


その要点が3つあります。


1. 
ボブ・シモンズのプレーニングハルボードとスティーブリズのツインフィンからデザインのヒントを得ている。(過去だけでなく最新のウェイクボードからもヒントを得ています)

 ボブ・シモンズはすでに40年代に流体力学を応用したサーフボードを発表した人物です。スティーブリズは、現在のレトロタイプのツインフィンの生みの親ともいえる人、この人のボード欲しがっている人は多いです。

マリブでのボブ・シモンズ、当時ジェット機の
ようにカッ飛んだようです。



2. 
リンゼイロード著<Naval Architecture of Planing Hulls : 滑水する船体の造船学(意訳)>がボブ・シモンズやスティーブ・リズのボードデザインの原点になっていることを発見する。

リンゼイロードの理論に合致したボードでのサーフィン
ただの長方形のスタイロフォームのようではありますが、
驚きの映像も併せてご覧下さい。



3.
デザインする上で、黄金比率やフィボナッチ数列を基に寸法を算出している。
 
 キリスト教の十字架や三角定規、歴史的建造物等の寸法の比率は全て黄金率に従っています。約1:1.61…。またフィボナッチ数列とはつまり数列で、1,1,2,3,5,8,…と前の数の和が次の数という単純な数列なのですが、じつは自然界にはふしぎとこの数列が多い。種子が芽を出すとこの数列にそって葉を増やします。ヒマワリの種の並び方や、松ぼっくりの一片もこの数列とぴったりくるらしい。それらのふしぎな力を持った比率と数列でこのサーフボードの寸法やカーブは決められているということです。



フィボナッチと黄金率はいろいろなところで
発見できます。スケボーのランページもフィボナッチの
カーブで作ると怪我少ないといわれています。
左上は黄金螺旋といわれるもので黄金率に関連した螺旋です。
正方形の数がフィボナッチ数列になってます。

ダニエルトムソンは過去の時代のサーフボードに新しい
光を当て、現代風にアレンジしたといえるのでしょうか?



 僕の友人でこのMPHを積極的に取り入れてサーフボードをシェープしている人がいるが、乗ったフィーリングがかなり違うらしい、もちろん良い意味での感触です。じつはこのボードに乗ったサーファーがWCTの予選でケリー・スレーターと対戦し、僅差で破れはしたものの互角で戦ったという、実際には勝っていたがサーフボードがあまりに奇抜でそれで点数が伸びなかったとも囁かれています。対戦後にケリーが「このボードのデザインは未来の姿」とコメントし話題になりました。おそらくなにかのきっかけでWCTでこのようなデザインのボードが頻繁に登場し、さらに進んだサーフィンのテクニックが生まれ「昔のさー、サーフボードって尖っていたよね」と語られるようになるんでしょうね。
 さて来年はどんなボードにしましょうか?





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