2016年2月7日日曜日

ラスタとグリノーの記事の補足。前号のサーファーズジャーナル日本版から


 変なといえば、かなりな変人。だって彼が現在進行形でなにをやってるか理解できる人は少ない。でもたぶん20年とか30年くらいすると「ああ、それグリノーが昔やってたよ」ということになる。たとえばGoproでバレルの中を撮るのが流行っているけど、ジョージ・グリノーはそれをすでに60年代に行ってしかも映画にしていた。ロックバンドのピンクフロイドがそれを見て驚きライブステージで上映したというのはあまりにも有名な話。
George Greenough photog:unknown

 だから今回ジャーナルに載ったこの記事「果てしない速力」も何十年かすればスタンダードになるかもしれない。いま読んでも「?」なのである。ジャーナルの読者にもよく質問をされたのだが、訳した僕にも判らないことが多い。でも補足的な説明はできる。過去の記事にヒントが隠されているのだ。

たとえば本誌21.6に載った「バックヤードスペシャル」これはグリノーがハンドメイドで製作したウィンドサーフィンの話。ウィンドと聞いて興味を失うのはちょっと早い。
彼がなぜウィンドサーフィンに取り組んだかというと、広大な外洋で巨大な波をサーフする手段としてそれを選んだのだ。パドルじゃあとても追いつけないコンデションを、風とセイルによって移動し波に乗る。バンピーなフェイスもこのボードならば気にすることなく滑走できるとそのとき彼は語っている。
 でもそのボードのボトムは、その記事では公開されなかった。トライプレーンのようなと匂わせてはいました。ちなみにセイルも波に乗ったら邪魔だからロールカーテンのようにクルクルと巻きつけてしまうようです!(想像つく?これも未公開)とにかくこのウィンド用ボードと今回のボード(エッジボード)に類似性があるようなのです。ですからグリノーファンは記事「バックヤードスペシャル」ぜひお読みください。彼がハンドメイドでどう作ったかも克明に書かれています。

 さらにこの「果てしない速力」でテーマとなっているのが終端速度(しゅうたんそくど。読めなかったでしょう笑)という言葉。たとえば物体が落下すると抵抗が発生し、速度が一定以上がらなくなるという。グリノーがラスタのために作ったそのボードは抵抗が少ないために終端速度が無く(と言えるほど早い)
 しかも波のフェイスが荒れていても問題が無いという。水中翼船(ハイドロフォイル)的効果があるようです。ボードに乗ったラスタがそう証言している。
 
 現在、サーファーならば誰でも知っているけど、ビッグウェーブサーフィンの基準値がとんでもないことになっている。マウイのピアヒ(ジョーズ)の40フィートオーバーの波をパドルでサーフする時代になったのだ。その大波をサーフするためにサーフボードもさまざまな改良がなされていると聞く。だがいずれはグリノーが開発したこのサーフボードが主流になり「それは昔、グリノーが作ったやつだね」とジャーナルの読者は声をそろえて言うときがくるのかもしれないと僕は思っているのですが〜。







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