photo from WSL
ケリーは自分自身のスランプをプロゴルファーのタイガー・ウッズと重ねて見ている。ウッズは長期の不調に喘いでいるからだ。
「タイガーは長い間特別な地位を維持していた。だから少しくらい調子を落としても驚くことではない、むしろ彼だって人間なんだって思うよね」とスレーター「彼のように体の故障や精神的な問題を抱えていながらも注目を浴び続けている人を十年ほど見てきた。そんなプレッシャーを感じながらも人は成長していくんだ。タイガーも僕もそのような環境で自己を鍛えてきたんだが、今はそれを楽しんでいない。もう十分だろうという感じかな。たしか2000年の頃も勝利がなかった。でもいまはあの頃のような重圧は感じていない。秘密にする必要はないから言うと、いまは負けても期待した結果を得られなかったと思うだけなんだ」
ファイアーワイアーの買収、スレーターデザイン、ウェーブプール、アウターノウンの立ち上げ等、そのビジネスの多忙さがケリーをツアーで戦う気持ちを減退させた。だがケリーはそれだけが理由ではないと断言した。
「僕もいろいろなプレッシャーを抱えて生きているんだよ。でもそれを理由にはしたくない。ツアー以外の仕事をしていてもヒートでは全力で戦うことができる。でも僕が願うのは、「サーフィンをしている」という意識が無い状態でヒートを戦うことさ。サーフィンが調子良くて、試合も勝てて、思う通りにうまくいって、サーフィンへの疑問なんて全く浮かばない。そんな状態になってないんだよね。もう一度そうなりたいと願ってはいるんだけど」
ケリーのその最後の言葉があてはまるのはWCTでランキング1位のマット・ウィルキンソンだろう。
「ゴールドコーストで5位以上になった選手で残っているのはウィルコだけなんだ」とスレーター。
「だからウィルコに言ったんだ。あと二つほどヒートを勝ち上がるとランキング2位とは大きく差がつくぞ、それでもし勝ってしまったら20000ポイント。他の選手は7000ポイントくらい。もしそうなったらすごいぞってね」
サーフィンの世界は憶測が大好きだ。「ケリーはこれからどうなるか?」もし彼がツアーを離れたら、プロサーフィンの世界はかなりの損害を被るだろう。しかしケリー本人も同様だが、今回のようなプアーなコンデションで彼のサーフィンを見たくはない。ベルズとマーガレットリバーが終われば次はフィジー、Jーベイ、チョプーという最高のステージが選手を待っている。
WSLのスタッフがウエスタンオーストラリアのノースポイントで試合が開催されれば興奮するかと質問した。
「興奮だね。興奮するよ。それが実現するとは思えないな。アイデアは支持するよ、ノースポイントの波がベストだからね。たとえ4フィートでも構わないよ。エアーもできるしバレルにも入れる」「ボックスでの試合も最高だよ。昨年は少しだけ開催できたよね。あそこはたった三秒間のバレルがヤバイ。メリグはワイプアウトするしオーエンのバレルもすごかった。WCTの選手もビビるからね。まあヘルシーといえばヘルシーかな」
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