2016年4月14日木曜日

マット・ウィルキンソンを勝利に導いた男:The Yoda Interview



SURFER magazine


マット・ウィルキンソンを勝利に導いた男

グレン”マイクロ”ホールは優れた名将だ。この34歳の優勝仕掛け人はまだプロツアーの選手を引退したばかりだが、マット・ウィルキンソンを連続で優勝させ、テイラー・ライトもスナッパーで勝ちベルズでもクォーターファイナル進出という好成績を収めさせた。ツアー選手のチームを組織し彼らの懐刀としてコーチングしているマイクロ、しかしウィルコには夜遊びが必要と名将は断言した。

サーファー誌:君とウィルコの出会いから教えてくれないかな?

マイクロ:僕はウィルコより9才くらい年上なんだ。エース・ブーチャンと僕はセントラルコーストで育って、ウィルコはまだガースヘルメットをかぶった小太りの少年だった。
でももうスペシャルなサーフィンをしてたよ。あのワイルドで個性的なラインやターンはその頃からもうできていたね。10才のときには目立っていたからね。
キャラもユニークだったし、俺流で勝っていくようすはクールだった。

ウィルコは成功する要素をすでに持っていて、それが起こったということ?

100%そのとおり。彼はナチュラルで異常ともいえる才能の持ち主なんだよ。もし彼がその才能を活かす方法を知っていたなら、成功はもうとっくに起こっていただろうね。
それが今現実となったということ。彼は勝つためのバランスの取り方を発見し、しかも今までとおりの自分を見失っていないんだ。僕はそこが一番すばらしいと思っている。
つまり彼はいまも超ヘンな奴なんだ。ただ以前と違うのはベッドに行くのが少し早くなったことと、試合のためにほんの少し変えたことがあるだけさ。

毎年クオリファイするだけで必死だった彼を見て、あなたにひらめきがあった?

そのとおり。良い結果の出ない彼を見て、僕もあいつはなにやってんだとイラついた。ウィルコがツアーから脱落するなんてありえないって、その解決策を僕は深く考えたのさ。
僕はウィルコからくらべたら十分の一くらいしか才能の無いサーファーだったんだ。でも彼の10倍くらいは努力した。そうだ!もし僕の努力の経験と彼の才能が合わせられればすごいことになるぞってね。その結果僕たちはいまここにいるんだよ。

その計画を話したのはいつ?

昨年の終わりに話し合ったよ。でもトップの連中のようには彼は金を払わなかった。彼は僕の給料や経費を払う気はなかったんだ。でもオーウェン・ライトが僕と組んで結果を出して、テイラー・ライトやローラも続いてね。それで突然チームが完成して、そのことに全員が喜んだ。思うんだけどジョンジョンのような選手は一人で大勢の取り巻きに囲まれている。その状態はある種のプレッシャーを生み出してしまうんだ。でもチームはそういうものを吹き飛ばす力がある、チームでいるからリラックスできるしプレッシャーも分散する。4人の結束は固いから有効だね。


君は一人でコーチするからね。君はジョンジョンと今年は組もうと話しをしたんだろう?どのくらい彼をコーチしたの、ウィルコじゃなくて?

彼の取り巻きとジョンジョン本人にも去年のポルトガルで話したよ。でも笑っちゃうのはその試合で少しだけ計画を進めてみたんだ。でもその始めたヒートですぐ終了、もう二度と声は掛からなかった。

君をジョンジョンがコーチとして興味を持ったのは、昨年トレッスルズで君に負けたからじゃないかな?

なんとも言えないけど、腰を据えて話し合ったときは彼はそのヒートについて言及したね。そのときのプライオリティやポジショニングなんかについて話し合ったよ。
僕は勝とうとはしていなかったんだけど、彼はきっとなにかの理由があるって思ったんじゃないかな。


どうして君はツアーで自分自身をコーチしようとは思わなかったんだい?誰かをコーチするよりいいだろう?

笑、僕には才能が無かったんだよ。昨年でもう終わった。正直言えば、十分に勝つことができる波を2本も乗っているのに負けたことに気づいたんだ。十分に戦えないってことなんだよ。

ウィルコはベルズで一日3回も戦って、ちょっと過酷だと言わざるをえないよね。ここ数年を見てると彼は大きな波では疲れてしまうようだったけど、彼のフィジカル面でのトレーニングはどのくらい重要だろうか?

それは最重要課題だよ。彼の昨年のスタートはベストとはいえなかった。でもトレーニングには時間がかかる。彼はジムでトレーニングをしてこなかったんだ。それは彼にとって楽しくないことだからと僕は気づいたんだよ。彼は楽しいトレーニングならするんだ。そこでバランスボールやちょっとクレイジーなものを用意して本人が気づかないうちにトレーニングになっているような方法を考えたんだ。とにかく彼はつまんないことはしないのさ。


過去のツアーファイナルを思い返しても、ウィルコはすばらしい戦略で勝利しました。もし昨年そう聞かされたら、あたなだって信じられないって笑ったんじゃないですか?

ジョディと対戦したとき我々は少し戦略も考えてそのとおりに実行しました。でももっと重要だったのは彼の試合に対する姿勢だったのです。ジュリアンとダンタスに勝ったヒートもそうでしたが
彼は自信に満ち溢れていました。もし君が燃えていて自信があったならば、波はそこにやってきます。どんなものにも立ち向かおうという気持ちにさせます。戦略的にも彼は改善しています。でも
なにより自信を持ったことが勝利へと繋がったんです。


試合でのウィルコのマネージメントは大きなチャレンジだと思います。でも本当のチャレンジは夜の彼をマネージメントすることだと思いますがいかがですか?

彼の夜行性的な行動をマネージできたら君は有能だと思う。ベルズのファイナルの前夜、私たちはベルズの裏のある場所でライブ演奏に参加し、ビールを飲んでハンバーガーを食べた。彼はトップランキングのイエロージャージーだから、家に居てじっと我慢していろと命令もできたよ。でも僕たちは外に遊びに行って彼のとなりに座って考えた。これいいんだってね。マネージングで難しいのは重要な時期に度を越してしまいどうしても家に連れ戻さなければならなくなったときだ。でもいまはそういう時じゃない、だって彼はいま順調に進みだしているからね。注意しなければならないのはむしろ彼が真剣に考えすぎ始めたときだ。もし彼が家に閉じこもってしまったならば、僕は彼を外に連れ出してビールを飲ませるだろう。僕は彼に彼らしくいて欲しいんだ。

ベルズで勝った夜、ウィルコのビール代は全部君が払ったって噂だけど?

僕だったらいいと思うけど。翌朝は僕もウォッカを140杯くらい飲んだ気分だった。

ウィルコはフロントサイドでどう戦うと思う?

彼はまだ世界に披露していないクレイジーなラインをいくつか持っているんだ。バレルでも証明する自信はあるからタヒチとフィージーでも一線を越えるだろう。もしその試合で波が大きければ彼にとってチャレンジになる。でもそれは誰にとってもチャレンジなんだ。怖いと思うかもしれないが、でも重要なことはそうなる可能性があると想定していること。勝つためにはそこを乗り越えなければならないと覚悟を決めていることさ。もし恐怖を乗り越えたならウィルコのクレイジーな才能に火が点くよ。ガブリエル・メディナもそこを乗り越えたんだ。ウィルコも彼と同じ。


ウィルコもいつかは負けるだろう、大丈夫かな?

もういくつかのイベントでは良い結果が出ないと想定しているんだ。でも以前と大きな違いは負けることより勝つことの方が楽しいって彼が気づいていることだね。

ウィルコの2連勝はツアーの序列を変えたと感じてる?

もちろんだよ。みんなの目を開かせた。ミックとケリーという偉大なトップの影響力が消えつつあるからね。ウィルコの勝利はすごい影響力を放っているだろう。


もしウィルコがリードしたままパイプで戦うことになったら?

バレルに突っ込んで勝つだろうね。その夜の飲み代は払いたくないよ。でもパーティーはあるだろうけど、もう次の年のスナッパーに向けて彼は準備をしなければならない。もし3勝してもタイトルが保証されたわけではないから、そこからどうするかだね。だからベルズの翌朝マーガレットリバーに行くために僕はウィルコを叩き起こしたのさ。

(略した箇所もあります。また誤訳の可能性も有り、ご了承願います。訳者)

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